現在ではさまざまな依存症があり、今まさに依存症で苦しんでいるという方も多いでしょう。
基本的に対象が何であれ、依存というのはいいものではありません。
依存している自覚があるなら、早めに対処しておいたほうがいいでしょう。
今日は、依存の原因や放置したときの危険性、依存から卒業するための方法についてお話ししていきたいと思います。
・そもそも依存の原因とは?
依存の原因というのは、実にさまざまです。
依存の対象によっては、遺伝が関係しているという話もありますし、脳内の神経細胞の機能が関係しているという話もあります。
ただ、やはり何かから逃げるために依存へと走るといったケースが多いです。
依存というのは、「縋る(すがる)」という表現に言い換えてもいいでしょう。
例えば、家庭環境が複雑で愛情に飢えている方が恋愛に依存してしまうこともありますし、ハードな仕事に追われてプライベートもゆっくりできないという方がお酒に依存してしまうこともあります。依存する方のほとんどが現状に不満を持っています。
「溺れる者は藁をもつかむ」ということわざがありますが、依存というのはこの状況によく似ています。
依存先が自分を救ってくれるのかは別として、とにかく何かにすがりたいのです。
極端な言い方をすれば、依存先は何でもいいのです。
実際に、「ダメになったら次はこれ」といった具合に依存先を転々とする方も少なくありません。「満たされたい」「逃げ出したい」といった思いを一時的にでも満たすために依存するのです。
・依存を放置するのは危険!
依存の本質をわかっていない方であれば、「放っておけばそのうち飽きる」と軽く考えてしまうかもしれません。
しかしながら、依存を放置するのはとても危険です。
というのも、放置することによって依存度がどんどん高まってしまう可能性も出てくるのです。
特に、依存先が人間だった場合はとても厄介です。
最近では「共依存」という言葉が広く浸透するようになりましたが、単なる依存から共依存に発展してしまう可能性も出てきます。
共依存というのは、文字通り、お互いに依存し合っている状態です。
共依存というと共依存カップルの話が目につきますが、もっともわかりやすいのはマザコンの男性と過保護なその母親の例かと思います。
依存にしても共依存にしても、本人のためにもなりませんし、相手のためにもなりません。
メリットがないのです。
放置しておくと悪化していく一方の虫歯のようなものですから、早めに対処すべきなのです。
・依存から卒業する方法
依存から卒業する方法なのですが、まずは自分自身を客観的に分析してみましょう。
依存している方の多くが「依存することによって救われる」といった考え方をしていますし、依存する以外に選択肢がないように思っているものです。
そもそも依存することによって救われるということはありません。
むしろ、依存することによって自分自身がよりいっそうつらくなるだけなのです。
それに、冷静に考えてみると依存する以外にも選択肢はあるものです。
わざわざ自分でつらくなるほうを選んでいると思うと、依存することが馬鹿らしくなってくるかもしれません。
また、これは心理療法でも使われる手法ですが、依存先と実際に距離を置いてみるというのもいいでしょう。
もちろん、いきなり完全にかかわりを断つのは難しいかと思います。
とりあえず1日依存先と距離を置いてみて、それができたら今後は2日距離を置いてみて……といったように地道に距離を置いていくのです。
あとは、単純ですが楽しいと思えることを見つけるのもひとつの方法です。
楽しいと思えている間は、依存心はどこかに行っているものです。
もちろん、その楽しいと思えることに依存しては元も子もないのですが、気がまぎれるようなことを見つけておくのは大切です。
もし、自分が依存するのではなく、依存される側になってしまった場合、同情や哀れみは捨て去りましょう。
共依存になってしまってはまさに共倒れですので、つらくとも依存できないように相手との距離を置くことです。
いかがでしたか?
依存するのも、依存されるのも出来たら無い方がいいですね。
依存はする方も、される方もどちらも心の負担になります。
お互いが依存し合わないように気を付けたいものですね。